このサイトは全てのダンサーの方に向けて、姿勢の重要性や痛みとの関係、また良い姿勢を得るための情報などについてを発信しています。

理想的な姿勢

理想的な姿勢

理想の基本姿勢

※KKロングセラーズ『驚異のエゴスキュー』より転載

 上図が理想の姿勢と言われる状態です。

 正面から見ると、鎖骨の中央付近、股関節中央付近、膝関節中央付近、足関節中央付近が地面に対して垂直に一直線に結ばれるのが理想とされています。
 また側面から見ると、上から耳孔、肩関節、股関節大転子、膝関節の外側中央、足の外踝の前を結んだ線が地面に対して垂直に一直線に結ばれるのが理想とされています。


 下の写真は現役のダンサーさんの写真です。
 ちょうど腰を痛めて来られていたので撮影させて貰ったのですが、上の理想的なモデルと見比べてみて下さい。

施術前

 彼女の写真を左側面から見ると、外踝の前を通る垂直線は耳孔から離れていますが(耳孔が髪に隠れて判りにくいですが)それ以外は肩、股関節、膝と一見バランスが取れているようにも見えます。
 しかし最も問題なのは、左の膝が伸びていない点でしょうか。
 一方右側面では垂直線は耳孔を通っているように見えます。
 しかし肩を通る垂直線の位置は左とかなり違っています。
 
 前後の正面の写真から見て取れるのは、骨盤の中心を通る垂直線が下肢の中心とも上半身の中心とも微妙にずれている点です。

 また体の重心は完全に左足にかかり、全体的にへっぴり腰の印象と相まって、腰痛特有の姿勢をうまく他の部位の代償作用によって支えている事が理解できます。 
 たまたまこの時はひどい腰痛と言う判りやすい症状があったのですが、腰痛を起こしてから治療にかかるまでに痛みどめの注射を打ったり、鎮痛剤を飲んだりしながら無理をしてダンスを続けていた為に、痛みをかばいながら全身的にバランスをとった結果、微妙な姿勢になった訳です。

 この上の理想的な姿勢の図と比較すると、もっと相違点を見つける事が出来るのですが、問題はそれだけではなく、機能テストを行うと、腰椎の一部が正常に機能していない所があったり、歩行分析では左右の足の振り出し方に大きな違いがあったりと、多くの問題点が見つかっています。
 この時の本人の訴えは腰痛なのですが、それはあくまで表に出ている部分で、細かな分析を行う事で、実際はもっと大きな問題が潜んでいると言う事が判ってきます。


 下の写真は腰痛に対する鍼治療と用手運動療法(F.SOUTAI(TM))を実施した直後の写真です。

 腰痛そのものはほぼ消失し、彼女的には動きも回復しているとの事ですが、逆に姿勢はより崩れているように見受けられます。
 多分この姿勢が痛みの無い時の彼女の普段の姿勢なのでしょう。

 見方を変えると、この姿勢でダンスを続けているからこそ腰痛を繰り返すのだ、と言えるかも知れません。

 痛みを抱えてダンスを続ける事で、体全体が代償動作(トリックモーション)をおこし、なんとかバランスを維持しているのですが、この事はダンサーやアスリートに特に顕著に見られるもので、治療家としては、痛みだけを取る事の是非を考えさせられる局面です。 

施術直後
 
 

 
  

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